近所づきあいも永続するものでない。こちらが引越すかもしれないし、あちらが移るかもしれない。お互いに深く関係することも避け、干渉することなしに生活した方が賢明ということになる。「このような住宅環境にあれば、地域社会の利害よりも家庭の利害が優先し、近隣のことよりもまず家庭のことを考えるようになる。」さらにいつも人が出入りしている状態は、地域生活共同体としてのコミュニティ形成を阻み、住民自らが地域に強い関心を払うことによって居住地を管理し安定させていく力を喪失させる。
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各種の公害に対する住民運動が、どちらかといえば中間層以上の持家を中心とする地域で起きているのも理由のないことではない。家族構成の発展段階における各種の住要求を満たしていくには、住宅資産を社会的に有効に利用していく住みかえの制度が必要であるが、この住みかえは、できる限り地域との結びつきや人間関係を断ち切らない居住地域内での移動が好ましいといえる。現代日本人の精神の荒廃は、たえざる住居移動も関係があるのではないだろうか。