日本人の法意識

2011.09.30

法律というのは、普段は守らなくてもよいものなのです。都市計画を巡る様々な法規制に関しても同じで、一応つくるけれども、そう厳格に守らなくてもよいし、そう厳格に適用しなくてもよいという考え方か、住民の側にも行政の側にもあるように思います。昨今のように、規制の曖昧な運用か難しくなってくると、規制そのものをあまり厳格にしない工夫が凝らされていきます。「地区計画」の制定でも、できるだけ「既存不適格」になる建物か出ないように現状を追認し、「景観緑三法」による規制も、比較的実害の少ない「色彩」などに集中しています。街並み形成に関する法律には、概して規範としての実効性が薄いのです。そのようななかでも、「都市再生特区」は従来からの様々な都市開発事業の手法を組み合わせて、区域内の公共施設の整備を民間に課する一方で、容積率の緩和を中心とする「ボーナス」を与える手法が機能しています。特定の街区での高層建築には賛否が分かれるところもあるようですが、ゆったりとした公開空地や歩行者道路の整備などが、従来にない規模で進められています。「日本人の法意識」は一朝一タには変わらないようですが、高尚な理屈よりも経済的なインセンティブの方が、現実を動かす力があることだけは確かなようです。

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