見直される資産としての「有事に強い金」

2011.10.07

「金」は、古来、世界共通の資産として高い評価を受けてきた。しかし近年、株式や不動産の資産価値に重きを置く時代となり、やや存在感が薄れていた。八〇年頃より「金は本来的に金利を生まない」「資産形成上は株式が有利で、金に魅力はない」という評価に変わり、金の価恪は長期的に低下する傾向となった。しかし主要先進国の経済成長が陰りはじめ、またアメリカで同時多発テロが発生するなど、国際情勢が混迷すると、「有事に強い資産」として再び金に注目が集まった。特にリーマン・ショック以降、各国がマネーを過剰供給すると同時に、政策金利を大幅に引き下げ、中にはゼロ金利にする国も出てきた。株式も、資産としての安定性に疑問符がつけられた。深刻な不況下、デフレ経済下では、土地の価格も大きく下落した。一方で金は、この一〇年ぐらいの間で三・五倍まで値上がりしたのである。むろん金にしても、これから長い将来にわたって高く評価され続けるかは不透明だ。こうした「変化の事実」を見てくると、資産の価値は時代とともに大きく変化していくものだと実感させられる。経済のグローバル化が一層進行していく中で、日本国内だけの視点では、資産の「価値の変化」を見通すことは難しくなった。世の中は絶えず変化し続け、価値ある資産と考えられてきたものが、瞬時に激変してしまう時代になった。そしてグローバル化やIT化は変化のスピードと大きさを高めるばかりである。この厳然たる事実を、しっかり認識しておかなければならない時代に突入した。

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