安くなったのはマンションだけではない。これまで「高嶺の花」といわれ、購入するにしても、高崎、宇都宮、三島といった新幹線通勤の地域でしか、庶民には無理だった一戸建てが、何と通勤圏内でも買えるようになった。たとえば、常磐線の土浦や牛久付近(茨城県)には、住宅金融公庫融資付きの三LDKの一戸建てが、三〇〇〇万円から四〇〇〇万円の半ばで分譲されているのだ。しかも九割がカーポート二台付きというから、一戸建ても安くなったものである。また都心から電車で一時間以内でも、六〇〇〇万円台である。中央線の高尾(東京都)近辺には大型の分譲があり、これも大変な人気である。このような一戸建ては、大部分が買い替え層をターゲットとしたものだが、それでもバブル経済の時ならば七〇〇〇万円から八〇〇〇万円もした物件が、最近では、買いやすい値段で供給されており、好調な売れ行きである。したがって、場所さえ少し我慢するならば、一戸建てを買い替えでなく最初から手に入れるということさえ可能になってきているのだ。地価の値下がりによって、われわれがあきらめていた住宅の購入は極めて楽になった。これで希望も出てきたし、物件を選ぶ範囲も広くなったのである。バブルの崩壊で景気も悪くなったが、その反面、生活にもっとも大切な住宅の問題の未来が開けてきた。すなわち、今までの企業の論理の時代から、消費者の立場が優先される時代になってきたのだ。
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