階段を上がるたびに異なる風景が展開する

2011.10.07

石づくりの道路の両側にびっしりと隙間なく建てられた家々、それが縦横に並ぶ。その道の中ほどに階段がぬうっと出現する。階段を上がるとまた異なった風景が展開する。階段は道を半分ふさぐように建てられていて、あまり計画的につくられたようではない。折り重なるようにして建てられた石づくりの壁を見ると、時代も様式も異なった壁が無造作につながっている。建て増しに建て増しを続けた温泉旅館のように、そぞろ歩いていると道は路地となり、路地は再び広がって小さな広場に出る。新しい領域が次々に出現し、あきさせない。町の中央には広場がある。噴水があって、木陰があり、ベンチや小さな店がある。カフェやタバコ屋兼雑貨店である。何げない小さな店だが人々が集まる焦点になっている。「アパートメント傅」で、小さなカフェをマンションの中に組み込むことを試みてから、集合住宅に店舗は欠かせないと思うようになったが、思い返してみるまでもなく、ピティリアーノのようないきいきとした集合住宅(といって悪ければ集落)には、これらの店舗は欠かせないアクセントになっていた。

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